2023年のオリーブビジネスは極端な気候と経済的圧力で評価51点、価格も高騰。
Olive Timesが34ヶ国のオリーブ生産者4,487人に送った年次調査で、2023年の収穫の総合評価は100点中51点で、2018年の調査開始以来最低のスコアとなりました。農家とオイル生産者は収穫量に最も失望し、100点中わずか46点でしたが、品質についての判断も調査開始以来最低のスコア72点となりました。
収量をめぐる落胆は、広く報道されている世界のオリーブオイル生産量の減少を浮き彫りにしており、2023度の収量は240万7千トンまで減少すると予想され、これは2年連続の減少で、2013年以来最低となる見込みです。ちなみに2017年度は、最高337万9千トンを記録しています。
農家や搾油事業者は最大の懸念事項として気候変動、消費者の知識不足、労働問題を挙げており、生産コストの上昇、過度の高温、干ばつが収穫に最も影響を与えるとしています。オイルの生産者価格もスペイン、イタリア、ギリシャでそれぞれ前年比約1.67倍、1.39倍、1.52倍と軒並み高騰しています。
オリーブの価値を伝える
2024年1月からオリーブウェルネス社のオンラインショップを順次リニューアルいたします。
オリーブオイル、オリーブの木(鉢物、農業用苗木)、栽培や剪定教室に加え、今年から「オリーブの全て、All About Olive」の掲載を始めます。
ご好評をいただいた「オリーブウェルネス大学」のアーカイブなど新企画を予定しています。ご期待ください。なおこれに伴いサイトは統合します。
イタリアのオリーブ遺伝子保存庫
イタリア最大の国立オリーブ遺伝資源保存庫は、国際遺伝資源保存庫としてIOC(国際オリーブ協会)からの認定を得ました。カラブリア州のミルト・クロージアとレンデにあるここのDNAコレクションは600品種のオリーブで構成されており、そのうち200品種はスペインのコレクションと同じ品種です。1994年に始まったIOC のオリーブ遺伝子コレクションの国際ネットワークは、スペイン、イタリア、モロッコ、トルコ、イスラエルの地中海沿岸を超えて南米のアルゼンチンにも到達。遺伝子保存庫では、その種を保存するのではなく実際にオリーブの木を複数本ずつ植えて、オリーブの保護と科学者向けの研究センターとして機能しています。
オレア・オリーブ
2023年11月26日の世界オリーブデーを祝うためIOCと地中海農業研究国際センター (CIHEAM) は、国際グラフィックアート作品コンテストを開催。23年9月下旬から11月まで実施され、オリーブ分野における女性ネットワークの重要な役割を強調する作品を投稿したい人であれば、世界中の誰でも参加できました。◎最優秀賞はハイチのアーティスト、ラマール・ジョンソンの作品「オリヴィエ(オリーブ髪)の女性」に授与されました。一見すると一人の女性を表しているように見えますが、絵のどちらかの半分を覆うと、同じ画像内に2つの異なる顔が鑑賞でき、オリーブ分野に対する女性貢献の世界観を表していると評価されました。