オリーブ栽培でも再生農業リジェネラティブ・アグリカルチャーが始まっています。

イタリアのシチリア島にあるオリーブ農園テッレ ディ パンタレオ(パンタレオの大地)のGiovanni Cappelloさんは、再生農業でのオリーブ栽培に切り替え始めました。島の東部の地中海を臨む標高320mの地にある12haの農園は、夏でも涼しくオリーブの害虫のハエもあまり発生しません。ここで伝統品種トンダイブレアのみをPDO (原産地呼称保護)のルールにしたがって栽培しています。

ここで近年の夏の乾燥対策、土壌水分の維持のため雑草を刈ることを止め、カバークロップ(被覆作物)植えました。伸びたらそれを土にすき込まず切ってそのまま残します。さらにカバークロップのない地面には、Fave(そら豆)、Cereale(穀物)、Grano(麦)を植えて生物の多様性を図っています。

再生農業とは、土壌の健康と肥沃性を向上させ、生物多様性を高め、生態系サービスを回復することを重視する農業生産システムのことです。耕さず、カバークロップや異なる植物を植え、地力を高めより持続可能で強靭な農業システムを作ることが目的です。イタリアだけではなくスペインやギリシャのオリーブ園でも事例が報告され始めています。

2023年ガーデニング・オリーブ予約開始

ガーデニング・オリーブとは、小倉園(群馬県)で苗木から剪定を繰り返し、園芸用に仕立てたオリーブのことです。8号(直径約24㎝)の鉢で、高さは凡そ約1mから1.5mぐらいの予定です。2023年の販売は、勝手ながら数量限定、予約販売です。こちらを訪問ください

農業栽培用の苗木は、個別受注対応していますので、お問合せ下さい。

イタリアでみた剪定風景

オリーブの収穫では機械化が進んでいますが、剪定は1本ずつ枝ぶりや本体を育てたい樹形に合わせる人手のいる作業です。イタリアでは枝を両手を広げるようなポリコニコと呼ぶ樹形に制定する農家が増えています。オレア・プレス(オリーブ百景―剪定)を訪問ください。

オレア・プレス

オリーブの育成方法には、組織培養、種(実生)、挿木、接木があります。組織培養はオリーブの蕾から組織片を取り出し培地で育て、苗木を作ります。実生は同じ品種を保つ保証がありませんが、種から発芽させます。台木を作るなどにも使われています。

挿木は最も一般的に行われている育成方法で、枝を土壌に挿して発根させて増やす方法のことです。接木は品種が異なる別な木(台木)に切断面を作り、ここにオリーブの枝(穂木)を密着して生育したものです。台木から異なる品種の枝が出ることがあり、これを切ることが必要になりますが、一般に挿木に比べて生育は早いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です