オリーブの品種特定、病害虫診断、CO2削減を目指す人工知能(AI

オリバメア(Olivamea)は人工知能(AI)を使ったスマホアプリで、オリーブの品種の特定、病害虫の診断、さらにエクストラバージンオリーブオイルと健康に関する情報の提供を目指しているイタリアのチーム。品種の同定にはDNA鑑定が必要ですが、農家が撮影した写真で最大80%の精度でオリーブの品種を推定すると同時に、最大90%の精度で病気の診断と適切な治療法の提案も提供する予定です。現在テスト版を提供中で、9月の正式リリースを目指しています。さらにアプリにユーザーが生成するCO2排出量カウンターを組み込み環境への影響を監視しCO2削減に寄与するとのことです。

サウジアラビア、トルコ、フランス、エジプトの研究者達はオリーブの病害を診断するには、どのような人工知能の手法が最適であるかを研究しています。3400枚のオリーブの葉の画像を分析し、深層学習の畳み込みネットワークCNNとビジョントランスフォーマーを組み合わせたモデルで約96%以上の精度を達成し他のモデルを上回りました。この最適モデルを見つけ出す研究は他の作物でも進んでいます。

オリーブ鉢物 好評販売中 

2024年のオリーブの鉢物(群馬県:小倉園生産)が好評販売中です。「鉢物」とは、オリーブの苗木の状態から、樹形がよくなるように数度にわたり手間をかけ剪定し、観賞用に仕上げたオリーブを言います。今年度の販売品種は次の5品種です。

Øオヒブランカ(Hojiblanca)原産:スペイン、直立型、中程度の実です。スペインのコルドバ大学のDNA鑑定書が付いています。

Øカロレア(Carolea原産:イタリア、直立型、大きな実です。

Øカラマタ(Kalamata)接木 原産:ギリシャ、直立型、大きな実です。なおカラマタ(挿木)は完売しました。

Øバロウニ(Barouni)原産:チュニジア、開帳型、大きな実です。

Øピクアル(Picual原産:スペイン、開帳型、中程度の実です。

 販売サイトを訪問ください。 https://olivegarden.jp/

オリーブアナアキゾウムシが嫌う化合物

オリーブアナアキゾウムシは日本にオリーブが輸入される以前からの日本古来の虫で、オリーブの幹に産卵し孵化した幼虫が幹を食べオリーブを枯らすことで知られています。

城西国際大学(千葉県)の光本教授達は、このオリーブアナアキゾウムシが嫌う芳香性化合物(忌避剤)を9種類を見つけ、そのうち2種類(オルトバニリンとゲラニオール)を用い千葉県のオリーブ農園(480㎡、オリーブ26本)で実証実験を行いました。2021年からの3年間の観測では、忌避剤を散布やゲル状にして置いた試験区からは成虫の捕獲数がゼロとなり、忌避剤の効用があると推察しています。

オレア・オリーブ

オリーブの育成方法には、組織培養、種(実生)、挿木、接木があります。組織培養はオリーブの蕾から組織片を取り出し培地で育て、苗木を作ります。実生は同じ品種を保つ保証がありませんが、種から発芽させます。台木を作るなどにも使われています。挿木は最も一般的に行われている育成方法で、枝を土壌に挿して発根させて増やす方法のことです。接木は品種が異なる別な木(台木)に切断面を作り、ここにオリーブの枝(穂木)を密着し専用の保護フィルムで接合部を乾燥や病気から守りまて生育したものです。台木から異なる品種の枝が出ることがあり、これを切ることが必要になりますが、一般に挿木に比べて生育は早いです。

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