コロナの先を見据えたオリーブオイル観光“オレオツーリズム”が動き出す
まだコロナ禍の収束が見えていない今年3月、イタリアでオリーブツーリズム促進(MTO:MOVIMENTO DEL TURISMO DELL‘OLIO)というコンソーシアムが設立されました。MTOの目的は「観光を通じてイタリアのオリーブの栽培を促進しオリーブの並外れた文化を強化すること」だと強調。
2006年頃から使われ始めた言葉オレオツーリズ(oleotourism)は、ギリシャやスペインでも積極的に推進されています。世界最大の産油地スペインのハエン州では「オリーブの木立とオリーブオイルの文化を世界に投影し訪問者の数を増やして、オリーブオイル生産地域で経験された大きな改革を経験して学ぶ」と謳っています。
最近の調査を多い順にみると、食事ができる施設を作る、搾油所見学、ガストロノミクガイド(オイルの効用と食事)のイベント、オイルのショップやテイスティング、化粧品販売、ユニークな宿泊施設、美術館・情報館、オイルスパなど多様です。
新たに発足したイタリアのたMTOの代表は、ポストコロナの時代は、4つのキーワード、自然環境を維持してゆくサステナビリティ、新技術、啓蒙研修、ネットワーキングに注目して活動を進めると強調しています。
オリーブの道 後編
オリーブは、紀元前6000年以上前から中東で神事や衣食住のあらゆる場面で活用され、今日オリーブ栽培は全世界に広がり、オリーブオイルは世界の食卓に欠かせない油となりました。「オリーブの道」2回目では、人類の歴史とともにオリーブ栽培の発祥の地中海 からいよいよ“日本”への足跡をたどります。
【Olive Wellness大学開催要項:第3回】
日時:2021年8月21日(土)16:00ー16:45
受付開始:15:45
配信方法:Zoomオンラインセミナー
参加費:550円(税込、事前登録)
定員:先着100名様
お申込み:https://olivewellness.store/
スクアレン・コロナワクチン・サメ・オリーブ
スクアレンは、1906年に日本の研究者によって“黒子鮫”の肝油から発見された無色の液体です。潤滑性に優れ化粧品や軟膏などに使用され、さらにワクチンで主薬の免疫効力を助けるアジュバン(adjuvants)としても使われています。◎コロナ禍でワクチン増産が続くとスクワレンの需要を満たすには2.5千から3千頭の鮫が必要との予測も出ています。◎現在承認されたコロナワクチンはどれもサメのスクアレンを使用していませんが、調査では開発中の300のワクチンのうち5つは使用しており、コロナウイルスワクチンが毎年必要になると、需要が増えると懸念されています。◎品種で異なりますがオリーブオイルには、110-839 mg/100g のスクアレンが含まれており、他の植物油(コーンオイル19-36 mg/100g )に比べ多くのスクアレンが含まれています。◎世界規模で約120億円(2015年)の市場規模で、さらに年率10%を超える成長が見込まれています。自然保護の観点からも鮫由来のスクアレンの供給は縮小され、オリーブオイル由来のスクアレンには市場機会です。
オレア・オリーブ モライオーロ
第1回ウェビナーではイタリアのトスカーナ地方の代表4品種レッチーノ、ペンドリーノ、モライオーロ、フラントイオが紹介されました。◎モライオーロは、アネリーナ、トンドリーナなど30近い異名をもつ品種で、丘陵地帯に向いています。樹形は直立型です。剪定の後の傷が治りにくいことが知られています。◎自家不和合で、受粉木が必要です。開花時期は普通ですが、花粉の量が多く生理落下の率が20%以下と言われています。実がクラスター(房)のようになることがよくあります。オイル量も多く、フルーティーで、ポリフェノールやスクアレンの含有量が多いオイルです。