IOCの本拠地スペインを訪問 

2016年1月20日号

国際オリーブオイル協会(IOC)は、先週記念すべき100号目のニュースレターを発行、57年の歴史を振り返っています。IOCは1959年、ベルギー、フランス、ギリシャ、イスラエル、リビア、モロッコ、ポルトガル、スペイン、チュニジア、英国が最初の合意書に署名し、国連の賛助を得て始まりました。2015年には、EU各国に加えその他16国の44ヶ国に増え、参加国で世界のオリーブオイルの97%を生産しています。2015年に採択された6番目の合意書では、オリーブオイルの産出国のみならず、消費国の参加も促し、取引の障壁を取り除きその品質を保証するためにオリーブオイル、テーブルオリーブの化学特性と官能評価のスタンダードを世界中に浸透することに注力すると述べています。

そのIOC本部(マドリッド)を訪問しました。年に2回開催される役員会は、スペイン語・英語・仏語・イタリア語・アラブ語の5ヶ国語で運営。昨年から続く日本市場向けのプログラム「ビリーブインオリーブオイル」では、この春日本で開催される幾つかの食品展示会でキャンペーンを行うそうです。

ドイツでも品質問題 

2016年2月15日号

イタリアで、「リサイクル」され添加物を入れた偽オリーブオイルや産地偽称事件が摘発され、米国・日本での商品回収が報じられています。

ドイツの独立消費者保護団体は、ドイツ国内で販売されている“エキストラバージン”と表示されている26品種の半分は品質基準を満たしていないと最新報告で公表しました。ハンブルグ消費者センターのジルケ・シュバルタウ氏は「オリーブオイルは今イメージの問題にぶち当たっている。本当は大変ヘルシーで味の良い物なのに残念なことだ」と述べています。

イスラエルのオイルメーカーのフレッドマン氏は、信頼おける工場からの直送品を求めることを勧めています。

柑橘からオリーブへ転向 

2016年3月15日号

米国柑橘類の産地フロリダ州で、柑橘類に致命的な被害を与える病害カンキツグリーニング病が2007年から広がり、被害は約16万エーカー、山手線内の面積約10個相当に及び、衰える様子を見せていません。

危機的状況から、伝統の柑橘栽培からオリーブ栽培に転向する農家が増え、今や50を超える農家が300エーカーの畑にオリーブを栽培しています。近年にオリーブ農家が増えるよりも早く、10年前からフロリダオリーブ協会が設立されており、フロリダ大学と共同で州内の5ヶ所で幾つかの品種を試験栽培して、病害虫や環境適性の調査も行われています。


2012年に始めたとある農家は、アルベキーナ、アスコナーラ、コロネイキの3品種を20エーカーの土地に約1万1千本植え、更に16品種を試験栽培して、今年は収穫を期待しています。

オリーブのチョコレートも 

206年4月15日号

カリフォルニアのシリコンバレーから南へ車で一時間、サンタクルーズ郡。郡で初めてさらに女性で初めて州の「今年の農家」選ばれたクリス・バンティエンさんは、花の生産者でしたが、食に係ることに関心が起き、1997年からオリーブ栽培を始めることに。今やイタリア系品種を中心に8品種、約2千本のオリーブを栽培しています。搾油所で搾油後自家のステンレスタンクで保存、オリーブオイル、さらにオリーブ手作り石鹸を販売。


そのオイルを使ってお菓子屋さんと共同で乳脂肪を使わないチョコレートを作り販売。動物性脂肪を好まない人たちにも好評です。

アメリカでも広がる栽培 

2016年5月15日号

1492年のコロンブスのアメリカ東海岸到達のあと、1542年にはスペインの探検家がカリフォルニアに到達。その後、1769年にカリフォルニアのサンディエゴにスペインの宣教師団聖フランシスカが最初の教会を建て、オリーブを植えたのがアメリカでの最初のオリーブ栽培と伝えられています。
今やオリーブオイルの輸入量が世界一のアメリカでは、8っの州での栽培が行なわれています。

小田原オリーブ研究会 

2016年6月15日号

オリーブガーデンは「Meet a Farmer 農家に会おう」を提唱して各地のオリーブ栽培農家を訪問しています。6月3日神奈川県の小田原オリーブ研究会の会合に参加、5つの栽培農家を訪問しました。

2014年5月発足の研究会、現在は約50軒の栽培農家が参加、豊臣秀吉の小田原攻めで知られる石垣山一夜城に近くにはモデル園が作られています。相模湾を臨み、丘陵地帯に広がる柑橘栽培で知られる地域ですが、6次産業化を狙い、鳥獣被害が少ない、加工の幅も広く、需要も高まっていることから、オリーブへ積極的に取組んでいます。

 

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