海外のオリーブ ボルカニセンター
イスラエルのA.R.O. Volcani Center(ボルカニセンター)は、日本の農研機構に相当する農業研究機関です。1926年に創設され、現在はイスラエル北部、中部2ヶ所、南部に研究所があります。
その一つギラットボルカニセンターはネゲブ砂漠の北端にあり、乾燥地帯におけるオリーブ、柑橘類などの果樹、機能食品などの研究をしています。また亜熱帯地域の中国やインドなどのオリーブ栽培も支援して各地の栽培特性も研究。オリーブオイルの量・品質は、品種による特性に加え、栽培地域の環境に非常に大きく左右されると指摘。高密度栽培が広がる中、自動潅水システムの潅水と肥料N,P,Kの最適化も研究しています。(2019年7月15日号)
海外のオリーブ COOC
18世紀初めスペインの宣教師団がメキシコとカリフォルニア半島にオリーブや他の果樹を持ちこみ、1769年にスペインの宣教師団聖フランシスカがサンディエゴに最初の教会を建て、オリーブを植えたのがカリフォルニアのオリーブの始まりです。
今や栽培面積約35,000エーカーを超え、400を超える栽培農家がオリーブオイルとテーブルオリーブを生産しています。1992年に設立されたカリフォルニアオリーブオイル協議会COOCは、生産者のみならず大学、農政関係者、販売者などが参加。会員である当社も3月23日からの年次総会に来ています。(2019年3月15日号)
海外のオリーブ ポートランド(米国)
米国西岸オレゴン州ポートランド市(北緯45度)は、札幌市(北緯43度)の姉妹都市です。このポーランド市から南へ約90Km のウィラメットバレーではオリーブ栽培に取り組んですでに実を収穫する所まで来ています。
近隣にはブドウ栽培が広がりワイナリーも増える中、多くのオリーブの品種を植え、有益なヒントを公開しています。幹の直径が1インチ(2.54㎝)以上の生育した苗を選ぶ、秋までに十分根が張れるように植える時は春などです。オレンゴン州立大学もオリーブの寒冷地栽培の研究を始めています。
“北海道オリーブ”の北緯は少し南ですが、冬の積雪は多く、堅牢な幹を防ぐ越冬準備が必要とされています。(2018年6月15日号)
海外のオリーブ エルサレム
2009年から3年にわたりイタリアの大学の研究者達によってエルサレムのゲッセマネの園にあるオリーブの古木の年代研究が行われています。8本あるオリーブの木のうち、幹や枝が元気の3本からサンプルを取り、放射性炭素年代測定法で年代を測定した結果、それぞれ1092年, 1166 年、1198 年と分かりました。
同時に行われたDNA分析では、これら3本の木は同じ遺伝子構成であることが分かりました。このことから、これらは同じ親木から、枝を切り出し、挿し木によって植えられたと推測されています。この方法は今も育苗の主流の方法です。(2018年4月15日号)
海外のオリーブ イラン
イランは2004年に国際オリーブオイル協会(IOC)のメンバーとなり、2016年にはIOC会議の開催地となったオリーブオイル産油国です。74以上の最新設備の搾油所があり6.5トン(2015-16年)のオイルを生産、さらにテーブルオリーブメーカーも200社以上に達しています。
カスピ海から60-70Kmの地域には昔のオリーブ栽培の跡が多く見つかっています。国連調査によると、イランの遺伝子保存庫にはオリーブ240品種以上が登録されています。伝統品種はMari, Zard, Rowghani, Gelooleh, Shengeh, Khormazeitoon, Khara, Dakal, Dezful and Fishomi等です。(2017年11月15日号)
海外のオリーブ カリフォルニア
米国カリフォルニア州では、オリーブの栽培農家が400以上に増え、栽培面積は約3万3千エーカーに広がっています。カリフォルニアオリーブオイル協会の調査では、約75の品種が栽培されています。
主要なオリーブオイル用の品種は、アルベキーナ、アルボサーナ、コロネイキ、フラントイオ、ミッション、マンザニーロ、レッチーノです。州全体で、搾油所は約40ヶ所ありますが、これからさらに増えると見込まれています。2014年のオリーブオイルの生産高は、約9百万リットルでした。(2016年5月15日号)