オリーブの種の再利用が進むープラスチック製品の機能性充填材料で自動車にも
世界最大のオリーブオイル生産国スペインは、またオリーブの種(果核のこと、オレアオリーブを参照)の最大の供給源でもあります。オリーブの種は通常は廃棄物ですが、今日、活性炭にしたり動物の飼料に混ぜたりして再利用されてています。
バイオパウダー(BioPowder.com)社は、スペインで2017年に創業した生物由来の廃棄物から粉末を製造する会社です。同社は高品質のオリーブの種の粉末パウダーを1,000トン/月規模で生産しています。このパウダーを化粧品、健康食品に始まり、プラスチック複合材に使用するための機能性充填剤に加工しています。「オリーブの種はカーボンニュートラルな生態系から生まれます。副産物なので作物を直接育てる必要はなく、木を伐採する必要もありません」と強調しています。もう一つの環境的特徴は、オリーブの種が地元で調達され、加工されていることです。
会社によるとこのパウダーは自動車業界では特に内装部品で活躍しており、「オリーブの種の粉末は耐熱性を高め、より耐摩耗性の高い表面を生成できる」のでバイオベースの皮革などの皮革コーティングへの応用に関心が集まっていると言います。バイオパウダー社は、自動車以外にも、家電製品、コンピューターや携帯電話のケース、衣類ハンガーなどの市場でオリーブの種の粉末のさらなる可能性を指摘しており、歯科や医療用インプラントにも可能性があると期待を膨らませています。
オリーブ鉢物 好評販売中
2024年のオリーブの鉢物(群馬県:小倉園生産)が好評販売中です。「鉢物」とは、オリーブの苗木の状態から、樹形がよくなるように数度にわたり手間をかけ剪定し、観賞用に仕上げたオリーブを言います。秋植えにも最適です。販売品種は次の5品種です。
Øオヒブランカ(Hojiblanca)原産:スペイン、直立型、中程度の実です。スペインのコルドバ大学のDNA鑑定書が付いています。残りごく僅かに。
Øカロレア(Carolea)原産:イタリア、直立型、大きな実です。
Øカラマタ(Kalamata)接木 原産:ギリシャ、直立型、大きな実です。なおカラマタ(挿木)は完売しました。
Øバロウニ(Barouni)原産:チュニジア、開帳型、大きな実です。
Øピクアル(Picual)原産:スペイン、開帳型、中程度の実です。
オリーブの葉からの新ポリフェノール抽出方法
スペインのバルセロナ大学の研究者らは、オリーブの葉からポリフェノールを抽出する環境に優しい新手法を発見したと発表しました。オリーブの葉や種などの廃棄物は、化学、食品、医薬品分野の原材料となる抗酸化化合物の注目すべき供給源です。
この新手法は、オリーブの葉の廃棄物サンプルを粉砕し均質化し、グリセロールのような液体物質と、動物飼料に使用される固体塩を組み合わせた新しい溶媒を使用して、80°Cで2 時間機械的に振盪しながら抽出処理するものです。。得られた抽出物中のフェノールは、60種類を超えるフェノール化合物見つかり、そのうち約20種類の化合物が確認されています。
最も注目すべき化合物としては、オリーブから発見され、抗酸化効用が高いオレウロペイン、ヒドロキシチロソールなどで、化学、化粧品、医薬品分野での利用が期待されます。
オレア・オリーブ
私達がオリーブの種と呼んでいるのは、正確には果核(英語でEndocarpあるいはStone、Pit)で、植物としての種(Seed)はこの果核の中にあります。果核は品種毎に形やみぞの状態が多様に異なり、IOCの基準では9項目、1,296種類があります。品種をDNA鑑定ではなく外観から判定するとき果核は重要な判定基準だと言われています。