2018年から共生して活きていたオリーブの根のアーバスキュラー菌根菌
2018年4月当社が小倉園と共同でイスラエルから輸入したオリーブの苗木。輸出時土を取り根を洗った根にアーバスキュラー菌根菌(AMF)を根に噴霧して空輸。それをすぐに鉢に植えまる5年。今年苗木の根の状態を観測しました。
根の菌を観測するために土を落としエタノールで保存。その根を水洗いし水酸化カリウム液にいれ熱処理、さらに塩酸処理をして最後に染色剤を入れて根を染色。
農林水産省の定める菌根菌共生率測定用シャーレに染色した標本根を入れ、顕微鏡(200倍率)で確認しました。結果2品種カニーノ、ソウラニいずれの根にも内生菌糸や嚢状体が見え、共生が確認されました。
AMFは植物が光合成で作り出した糖類をエネルギーとしてもらい、代わりに土壌からリンなどの栄養分を吸収して植物へ供給します。この効果は土壌や品種での違いがあります。
2023年3月、日本の環境で評価を行うため小倉園で挿木した苗4品種にイスラエルで使用したと同じグランドワークス社のAMFを噴霧して鉢植えしました。同じ数の噴霧をしない苗も用意し今年の12月を目途に評価を行う予定です。
AMFは世界的なリン資源の枯渇の中、リン酸肥料の施肥量の削減期待、さらには循環型農業で重要な役割を果たすと期待されています。
2022年産新作オリーブオイル 入荷します。
イスラエルの先端オリーブオイルメーカー「グシュール」の2022年冬産エキストラバージンオリーブオイルを5月20日から販売を開始します。500ml缶入り、オリーブの品種は2種類から選べます。
品種ソウリ:中東に古くから伝わるオリーブの品種でエルサレムのオリーブ山もこの品種。さわやかな口当たりと、ピリッとした刺激が特長で、サラダ、パスタなど色々な料理に向いています。
品種コロネイキ:ギリシャ原産の品種ですが、イスラエルの風土と点滴灌漑栽培で一味違う風味の仕上がりです。野菜料理、炒め物や揚げ物などの味を引き立てます。イスラエルの生産者は日本食にあうので是非使ってみてほしいと言っています。
価格(税別)1本:4,000円、オンラインショップを訪問下さい。
オリーブウェルネス研究所の最新レポート
豪州のオリーブウェルネス研究所は“医療従事者を教育することで、エクストラバージンオリーブオイル(EVOO)の効用について市民や患者を教育し続ける”活動をしていますが、更に広くEVOOへの理解を深めようと「エキストラバージンオリーブオイル その健康と栄養レポート」を一般にも公開しました。EVOOの基本的な定義から始まり、他の等級のオリーブオイルや食用油との違いを詳しく説明しています。
レポートでは種から作る油は、加熱して溶媒や高圧で油を抽出するので抗酸化物質のほとんどが生産中に失われ、有害なトランス脂肪やその他の酸化の二次生成物が形成される可能性がある、EVOOにはキャノーラオイルに比べ最大120倍の健康増進バイオフェノールが含まれていると報告。
市販のサラダドレッシングをEVOOに置き換えたり、牛乳の代わりにEVOOを使ってスクランブルエッグを作るなどのヒントも多数紹介しています。
オレア・オリーブ AMF
スペインとモロッコの研究者はアーバスキュラー菌根菌(AMF)のオリーブへの接種が灌水制限がある乾燥地域でのオリーブの木の成長に及ぼす影響をスプリットルート法(根分け法)というシステムで調査しました。
品種ピシュリーン(Picholine marocaine)の苗木の根を二つの異なる土壌(灌水有・50%・無、灌水AMF有無)に二つに分けて植える実験を行い、左右異なる土壌環境に植物がどのように応答するかを調べました。
結果、AMFの接種は干ばつでも大きな成長を遂げ良い結果でした。これから、AMFを接種し必要な灌水量を50%に制限することはオリーブの干ばつへの抵抗力を高めるための優れた戦略の可能性があると分かりました。