スペインコルドバ大学:オリーブの収穫とオイル生産を支援する最新の技術を発表
コルドバ大学はこの3月「Innolivar」 (Innovation and technology of the olive grove:オリーブ畑の技術革新)の成果発表を行いました。これはコルドバ大学を中心に2017年から始まったオリーブ業界に向け教育、研究、高度な社会サービスの提供を目指したイノベーションプログラムです。これはオリーブオイルとテーブルオリーブの両方を対象とし、さらなる機械化、持続可能性、環境、バイオテクノロジー、トレーサビリティの5つの分野に分かれた12のプロジェクトから構成されています。革新的ハイテク試作機を企業と共同開発するためにプロジェクトごとに2社合計24社が選ばれ、プロジェクト終了時には商用機が発売される予定です。
「商業段階に入れることができれば…スペインのオリーブ産業の競争力がより高まり、その国際化を促進する」とInnolivarの科学担当イエス・ヒル・リブス教授は期待しています。
オリーブのバーティシリウム萎凋病
地中海のオリーブ農家が直面している深刻な課題の一つにバーティシリウム萎凋病があります。これは300種類以上の植物に影響を与える土壌伝染性真菌であるVerticillium dahliae(バーティシリウム・ダリエ)によって引き起こされる土壌伝染性病害です。それを効果的に制御する既知の方法がないため脅威です。オリーブに適するアルカリ土壌で多発することが知られています。◎日本でもウリ科野菜、ナス科野菜、イチゴ、大豆、ダイコンなどで発生しています。◎Innolivarのバイオテクノロジープロジェクトではこの真菌に対する拮抗土壌微生物で「生物的防除」をしようとしています。これらの拮抗微生物は、直接注入、点滴灌漑に混入、蔓延している土壌やオリーブの木の根元に強化された改良剤として直接注入することを狙っています。プロジェクトでは、この微生物を大規模に培養し病気に対する有効性を評価するために必要な技術を企業に移転する計画です。
Olive Wellness大学講座 オリーブと食生活
第8回ウェビナー講座:オリーブとガストロノミー
- ガストロノミーは美食学とも訳されますが、ここではオリーブの視点からの食文化や料理法と捉えます。
- 日本の食文化、油料理の歴史を振り返ります。
- 最後にオリーブとウェルネス、ウェルネスの原動力について考察します。
Olive Wellness大学開催要項:第8回】
司会:松村成師 Olive Wellness株式会社代表取締役
日時:2022年5月21日(土)午後4:00ー4:45
受付開始:午後3:45
配信方法:Zoomオンラインセミナー
参加費:1,100円(税込、事前登録、テキスト配布)
定員:先着100名様
お申込み:https://olivewellness.store/
オレア・オリーブ
日本ではバーティシリウム萎凋病とは異なるオリーブ立枯れ病が各地で報告されています。2020年8月静岡県西部地域のオリーブ栽培地で、葉枯れ、枝や幹の木部が変色して樹木全体が萎凋枯死する症状が認められ、さらに変色部からは菌泥の漏出が確認され細菌が分離されました。分離された細菌を名古屋植物防疫所で同定したところ、Ralstonia solanacearum(ラルストニア・ソラナケアルム、青枯病)と判明。静岡県病害虫防除所は3月26日、オリーブ立枯病を県内で初めて確認したと発表しました。
この細菌はナス科植物やショウガなど200種以上の植物に感染し維管束の通水を悪化させ立枯れを引起すとみられています。
既にブラジル、中国などで確認されており、国内では2018年に香川県で初めて発生が確認され、その後、鹿児島県、宮崎県、広島県で発生が確認されています。