温暖化、2100年までに平均気温が7℃上昇すると予測、適応できるオリーブは?

地中海は気候変動の影響を特に受けやすく、今後80年間で平均気温は最大7℃上昇し、10年あたりの平均気温は0.9℃上昇すると予測されています。イスラエルの研究チームは、季節外れの気温上昇はオリーブのストレス要因の1つで、最適温度より3ºCから4ºC高くなると果実の収量が減り油と質に重大な損傷を与え、オリーブの生長にも悪影響を与える可能性があることを発見。高い気温の悪影響に関与する植物のメカニズムを解明して新しい抵抗力のあるオリーブ品種の研究をしています。

 

従来の品種改良手法では数十年かかるため、緊急に高温に対してより耐性のあるオリーブ品種を作り出す必要性が高まっていると指摘。すでにオリーブ90品種のフェノタイプ(遺伝子型の一部が目に見える形で現れる生物組織の特質)をセンサー、画像診断などのIoT技術を駆使して、品種改良を進めています。

さらに研究チームは、気温が上昇した日に、葉の周りの環境温度を下げるためのさまざまな農学的解決策が必要であり、気候変動に適応するためには農業技術と育種の両面からのアプローチが必要と述べています。

Olive Wellness大学ウェビナー オリーブを知る

 第4回目ウェビナーの講座は、オリーブの植物生態です。
樹形、根、花・受粉・結実、葉、果実、果核とそれぞれの分類基準と見分け方
植物成長段階、育苗方法
品種、品種保存庫、品種同定、品種改良

エキストラバージンオリーブオイルの苦み・辛味

エキストラバージンオリーブオイルEVOOを摂取することで多くの健康上の利点があることは知られていますが、これらはEVOO固有のポリフェノールがもたらすとみられています。これらのポリフェノールの苦み・辛味は愛好家には評価されていますが、ナイーブな消費者には不快であると報告されています。

最新のNatureの研究論文は、特に卵黄とホエイ(牛乳から脂肪と固形のタンパク質を取り除いた後に残る液体)のタンパク質をEVOOに添加すると、喉の辛味と苦味の両方を低減または排除することが分かりました。さまざまな食品レシピ(マヨネーズなど)で使用すると、EVOOの辛味と苦味が軽減して多くの消費者にとってより口当たりが良くなる可能性があります。研究では、さらにEVOOのポリフェノールの生物活性が変化しないかどうかさらに研究するということです。

オレア・オリーブ

第1回ウェビナーではイタリアのトスカーナ地方の代表4品種レッチーノ、ペンドリーノ、モライオーロ、フラントイオが紹介されました。

イタリア語で搾油所を意味する言葉フラントイオはまたイタリアを代表するオリーブの品種名です。フルーティーなオイルが安定した期間取れ高い評価を得ています。発根力が高く、早い時期から結実します。開花の時期は普通で、自家和合性ですが、適当な受粉樹があると生産性が高まります。果実が成熟するのは遅いです。

非常に多くの亜種があり最近の研究で別品種と思われていた「オブロンガ」は同一品種であると分かってきました。

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