エキストラバージンオリーブオイルの偽物に注意しよう:EUの食品偽造報告
EUは、EU加盟国間の食品偽装を疑われる案件の通報と対策を促進するAAC-FF(Food Fraud:食品偽装)ネットワークと呼ぶITシステムを2015年に立ち上げました。最新レポートでは、EU各国の国をまたがる食品偽装案件は年々増加し2019年には292件が通報されています。分野別では油脂オイル、魚介類、肉類が上位3つを占めています。
事例の一つは、24,000リットルのエキストラバージンオリーブオイルと表示された商品。輸入した英国は、偽装を疑った英国は、2018年2月このAACーFFネットワークを通じ商品情報などを関連者に通告しました。この通告を受け、欧州刑事警察機構と輸出元のスペイン当局が捜査に動き対応が進んでいます。
食品偽装は増えており、地中海大手のオイルメーカーは、IBMの最新ブロックチェン技術を用いた「IBM Food Trust(フードトラスト)」の採用を始めました。これはエキストラバージンオリーブオイルの生産から流通過程の履歴を正確に記録・管理し何処からでも商品を追跡できるシステムで、消費者が商品が確かな物であることを確認できます。
STAY HOME 朝のオリーブオイル
イスラエルのオリーブ栽培の専門家宅の朝食です。ニンニクをオリーブオイルで炒め、そこに卵を割って目玉焼きを作ります。エキストラバージンオリーブオイルと炒めたニンニクの香りが広がります。
オリーブの品種ソウリ:中東に古くから伝わるオリーブの品種でエルサレムのオリーブ山もこの品種。さわやかな口当たりと、ピリッとした刺激が特長で、サラダ、パスタなど色々な料理に向いています。
オンラインショップを訪問下さい。
オイル市場もデータの時代 IOCが一目瞭然へ
IOC(国際オリーブオイル協会:本部スペイン)の経済推進部門は、オリーブオイル市場のデータを毎月更新し、分かりやく見えるダッシュボードを始めました。オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、日本、ギリシャ、イタリア、スペイン、ロシア、米国、およびその他の非EU輸入国を含む、世界の主要市場での生産、消費、貿易に関するデータが含まれています。
近い将来、このサービスはIOCウェブサイトのホームページでも一般に公開される予定です。
オレア・オリーブ イチジクとオリーブオイル
油処理(Oleification)はオレイン酸の処理という言葉で、果実の穴にオリーブオイルなどの植物油を入れて、実を甘くする方法(1)。イチジクの実が熟する前に、実の先端の孔にオリーブオイルを塗布すると成熟が促進され、甘くなることが知られています。1960年代に行われた日本の研究(2)では、「果実生長の第II期の末ごろ, 果径が約34.0mmに達した時, 果皮が緑色から黄緑色に変わり, 果頂部の目の部分が多少隆起して, 淡桃色から赤桃色に変わり, かつ花托内の小果が淡桃色から赤桃色に変つたころが, 油処理を行なつて成熟促進に効果のある時期と判定された。」との報告があります。オリーブオイルのオレイン酸が分解したときに植物ホルモンとして働くエチレンが生成され、肥大と成熟が進むよ
うです。エチレンは多くの果実の成熟促進ホルモンとされています(3)。