2018年:オリーブも人工知能(AI)の年になりそうです。

世界最大のオリーブオイル産油国スペインでは、人工知能(AI)を使いオリーブ最大の害虫オリーブミバエの被害を防ぐ研究が進んでいます。

センサーから栽培環境のデータを集め(ビッグデータ)AIを利用して何時どのようにオリーブミバエが発生するかを予測し対策を打つようにするツールを開発しています。

オリーブミバエに食べられた実はオリーブオイルやテーブルオリーブに使えず、さらに卵を産み付けるため欧州や米国でのミバエの被害は甚大です。

カリフォルニアのワイナリーでは、IBMのAIワトソンを使って衛星から撮影した画像と天候データからどのブドウ畑にどのくらいの水を与えるべきかを導き出しています。

2015年から始まったこの実験では250エーカーの畑に6つの潅水システムを導入。それぞれに最適の水量を算出。まだ実験段階ではあるが、使用する水の量は20%少なくなったと報告。このAI技術は柑橘類やアーモンドの栽培にも使えると期待されています。

オリーブオイルに関することならなんでも答えようというAIの応答サービスが始まりました。その名前は“オリエ”

彼女に「日本のオイルメーカーは誰?」と尋ねたら「日本はマイナーなオイル生産国です」との答えが返ってきました。そこで「オリーブオイルの主要生産国は?」と尋ねると「スペイン、イタリア、ギリシャ、チュニジアが主要国だが世界各国で生産されている。参考データがあります」とすぐに回答がきました。成長しそうです。

世界のオリーブ:汚染物質を燃料や肥料に

オリーブオイルを搾油する時にでる水にはポリフェノールなど多様な物質が含まれ、そのまま排水すると環境を汚染することが課題になっています。

フランスとチュニジアの水処理技術の研究者達は、この水を糸杉(サイプレス)のおが屑に浸みこませ、それに熱処理を加えてバイオチャーと呼ぶ炭化したものを作りました。
このバイオチャーには、三大肥料要素(N,P,K)が多く含まれ、バイオ肥料として期待できるとともに、バイオ燃料としても役立つと期待され、研究が続けられています。

商品ガイド:好評のロゼワインはこうして

12月のダルトンワインイベントで大好評のロゼは、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、バルベーラから作られています。これらの黒ぶどう品種を夏の終わりに醸造所へ持ち込んで破砕し、圧搾する前に果皮とともに3時間ほど醸して薄いピンクの果汁を作ります。圧搾した果汁は3週間ほど低温発酵させ、ワインの個性を最大限に保ちます。果汁を凍結することにより、早めに発酵を止め、果汁に含まれる糖分を残しています。

イベント:ハワイからナチュラル化粧品

マカデミアナッツオイルとその新商品“クレアナビューティーオイル”のご案内です。
2018年1月24-26日、幕張メッセで開催の「化粧品開発展」に出展、メーカーCEOが来日します。

オレアオリーブ:スマートアグリに参加のオリーブ3品種

オリーブガーデンが参加している実証実験が東京八王子で行われています。スマートアグリと呼ぶシステムで、土の状態をセンサーで観測し自動的に点滴潅水を行うシステムです。

この実験の果樹としてカロレア(原産国イタリア)、コロネイキ(ギリシャ)、ピクアル(スペイン)のオリーブ3品種を提供しています。八王子は冬には降雪もあり、気温が零下になることもあります。

カロレアは、自家不和合で受粉木が必要ですが、標高800mの高地でも栽培でき低温に強い品種としてこの実験に選ばれました。コロネイキ、ピクアルとも冬の寒波に耐えています。